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あんしん不動産売却術
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更新日 : 15/09/11

マンションの建て替えは難しい

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こんにちは、みなさん中銀カプセルタワービルをご存じでしょうか?。かの黒川紀章の初期の代表作、メタボリズムの代表作となる建物で、国内外に多くの建築ファンからも注目を集めているビルです。最近、建替えか保存かで時々メディアに取り上げられています。(写真は無関係の物件です)

ウィキペデイア 中銀カプセルタワービル

この建物の特徴を簡単に説明すると、各部屋がキューブ状のユニットになっていて、キューブ単位で交換ができるという、メタボリズム(新陳代謝)の思想のもとに設計されています。竣工が1972年ですので築43年が経過していますが、費用の問題で、当初の設計で想定したようなキューブの交換は、一度もされていません。

さて、この老朽化した中銀カプセルタワービル、建替えと保存の間で揺れ動いています。

2014年「改正マンション建て替え円滑化法」が成立しました。それまでは、マンションの区分所有者全員の同意がなければマンションの売却ができませんでした(建て替えは4/5の賛成でできます)。その為、売却して建て替えを行うことが難しく、耐震性不足と考えられる106万戸のマンションの内、建て替えられたのは、たった1万4000戸のみという状況でした。

それでは、マンションが売却ができると、どのようないいことがあるのでしょか?。利点はマンションをデベロッパーに買い取ってもらい、再開発を行います。新しく建てる建物を周辺環境に貢献できるよう設計した場合、容積率緩和の特例が認められることがあります。容積率が緩和されれば、以前よりも大きなマンション、オフィスを建築することができます。住民は増床されて、新たに販売される売却益を、建て替えの資金として使うことができるというものです。実際にこのスキームを使って、建て替えに成功した物件がいくつかあります。ただし、デベロッパーにとって、容易に売却でき、収益がでると判断できるような好立地の物件でないと、このような建て替えに繋がりにくいと思われます。

また、所有者の合意を形成するのも非常に難しいです。4/5の賛成者が必要ですから、中銀カプセルタワービルの例で言うと、総戸数が142戸ですので28戸分の所有者が反対すれば、売却や建て替えはできません。この建物、ファンの方が何戸かを所有しているようですので、なかなか114戸以上の賛成を得るのは難しそうです。(個人的には、残して欲しいなぁとは思います)。

さて、一般のマンションでも4/5の所有者の賛同を得るのはなかなか難しいです。築年数が経ってくると、購入した所有者が居住せず、賃貸に出している場合もありますし、転売、相続等で所有権が入れ替わってる場合もあります。オーナーの高齢化も進み、このまま住み続けたいという意向や、資金に余裕がない方もいらっしゃいます。その中で4/5の合意を形成するのは非常に困難だと言えます。

居住している方々がコミュニケーションが円滑に行われ、管理組合がしっかりと機能していることが前提となってくるのではないでしょうか?。当然、建替えだけでなく、大規模修繕、日々の管理も同様のことが言えます。

築年数の経ったマンションの購入を検討されている方は、建替えは難しいリスクも考慮すると同時に、管理組合がしっかりと機能しているかなどもチェックしていく必要があると思います。(T.S)

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