売却リスクの軽減に使える既存住宅瑕疵保険
検査と保証がセットになった「既存住宅売買瑕疵保険」
住まいを売りに出す際、売主にとっての大きなリスクのひとつに、瑕疵(欠陥)が売却後に見つかることがあります。
住宅の瑕疵とは主に、主要構造部分の欠陥や雨漏りなどです。売却後に瑕疵が見つかり、買主から修繕費や損害賠償を求められ、トラブルや費用捻出に苦慮することがあります。
●「現状有姿」で取引きもできるが・・・
売買契約で、「現状有姿」での引渡しとすれば、売主にとっては瑕疵責任をまぬがれることができます。しかし、買主にとってはリスクになることから、買主が購入を躊躇したり、値引きを求められることもあります。
●中古住宅の流通を活性化に向けて
日本は欧米にくらべて、中古住宅の取引きが活発ではありません。国はこうした現状を打破する政策のひとつとして、平成24年から新しい保険制度をスタートさせました。
「既存住宅売買瑕疵保険」というもので、既存(中古)住宅の住宅検査と保証をセットにした保険制度です。
売主、買主の双方にメリットがある
住宅にこの「既存住宅売買瑕疵保険」をつけた場合、売主と買主の双方にメリットがあります。
●売主のメリット
・売却後に瑕疵が見つかることに対する不安がなくなる。
・「住宅検査を受けている一定レベル以上の住宅」として買主にアピールでき、他の類似物件より有利となる。
●買主のメリット
・購入後に瑕疵が見つかった場合、保証を受けられるので安心。
・通常、瑕疵担保責任がついていても、その期間は3カ月までが多いが、「既存住宅売買瑕疵保険」は1年、あるいは5年まで保証される。
・売りに出される前に保険制度の住宅診断を受けており、一定のレベル以上の住宅という安心感がある。
保険料は住宅診断とセットで、利用しやすい
保証内容は、以下のとおりとなっています。
保険期間:5年間、または1年間。
保険料 :給排水などの保証を含めたコースで約8万円(住宅診断とセット)
※保険上限額1,000万円、5年の保険期間、木造戸建て住宅の場合。
保険料は住宅診断とセットの金額になっており、割安に感じられます。
「既存住宅売買瑕疵保険」はスタートしてまだ間がなく、認知はこれからといえますが、売却の際に検討してみてはいかがでしょうか