住宅売却の2020年問題って?
住宅売却の「2020年問題」が表面化しつつあります。
2020年は東京オリンピックの年。開催決定後、日本中がお祭りムードになったのも記憶に新しいところです。
オリンピック後の住宅価格は下がり続ける?!
東京の中心部のマンションはオリンピック需要を見込んで価格が上がってきており、ミニバブルと指摘する人もいます。しかしバブルはいつかはじけます。
海外のオリンピック開催地の例では、オリンピック開催年の1、2年前には景気や住宅価格がピークとなり、以後、数年にわたって下がり続ける傾向が見られます。
それらの状況を考えると、日本でも東京オリンピック後もずっとマンションブームが続くことはないと考えたほうがよいでしょう。上がりすぎた住宅が下がるとその反動が大きく、不動産市場にも影響を及ぼすと考えられます。
人口減少とマンション住人の高齢化
2020年問題には、東京オリンピックの影響以上に深刻な問題が含まれています。人口減少とマンション住人の高齢化です。
少子高齢社会が急速に進んでいる日本では、住宅はすでに供給過剰の状況になっています。それは、これまで政府が新築住宅を中心に住宅政策をおしすすめてきた結果といえます。数の上では住宅が十分足りているにもかかわらず、次々と新築住宅が市場に送り出されてきたのです。
また、所有者が亡くなり、空き家状態で放置されている住宅が日本のいたるところにあります。政府は「優遇税制」を適用するなど空き家の売却を促進していますがなかなか追いつかず、空き家はますます増えていくと考えられます。
さらに、今後は一戸建ての空き家だけでなく、マンションにおいても住人のいない住戸が増えていくでしょう。
高齢化によるマンション維持管理の懸念
人口の多い団塊世代が70代になるのは2020年ごろです。
高齢化がすすむと、自分のマンションを維持管理する動機が薄れ、「自分はこの先何十年も住むわけじゃないから」と考える住人が増えるかもしれません。
結果、適切な維持管理が難しくなるマンションが増えていくのではと懸念がされています。
こうした状況が続いた場合、マンションはしだいに荒れていきます。当然、売却価格も下がっていくことになります。
いずれ住宅を売却しようと考えている人は、長期的な視点をもって、売却時期を検討すべきです。売却物件がさらに増え、値崩れが大きくなる前に売却をすることも今から考えておきましょう。