やさしい不動産用語⑧-市街化調整区域(しがいかちょうせいくいき)
市街化調整区域とは「市街化を抑制する区域」と都市計画法で定義されています。語感だけでみると、ゆったりとした住宅街をつくるようなイメージがあります。
しかし、市街化調整区域とは、住宅をほぼ建てることができない、非常に厳しい規制がかかった区域なのです。
市街化調整区域と建築規制
「市街化調整区域の土地を安く買わないか?」と言われても、十分注意が必用です。家が建てられなかったり、現在すでに家が建っていたとしても、今後増築や建て替えができない可能性が十分にあります。
自治体に自分でしっかりと確かめ、十分に今後のリスクについて納得した上で購入しなければなりません。
住宅を「ほぼ建てることができない」と言ったのは、自治体によっては、厳しい制限をクリアすれば建築を認めている場合があるからです。
しかし実際、都市計画法と自治体の基準の整合性がとれておらず、「自分の希望している家が建てられなかった」ということもある為、実際に建築許可が下りないかぎり、希望どおりの建築ができるかどうかは不透明です。
その場合のリスク回避の対策として、土地の売買契約の中に「建築確認申請が通らない場合は、契約は白紙撤回する」という特約をいれておくことが一般的に行われています。
市街化調整区域の建築以外の注意点
市街化調整区域は、元々家が建てられない区域の為、上下水道などのインフラの整備が行われていなかったり、ゴミ収集などの公共サービスが行われなかったりすることもあります。
また、将来の売却もたいへん難しいと考えた方がよいでしょう。担保価値としても不透明さがあることから、金融機関も市街化調整区域の土地に融資を行わないことが多くなります。
悪い不動産業者が、「市街化調整区域の指定が市街化区域に近いうちに変わる」や「市街化調整区域の指定を外すコネがある」などの曖昧な情報を流して、市街化調整区域の土地購入を勧めることもあるようですが、業者の話を鵜呑みにせず、自治体に自分で問合せをするべきでしょう。(T.S)