売却を妨げる「臭い」とその対策
人は、他人の家の臭いに敏感
住宅の売却に当たって、売主は家のまわりを片づけたり部屋に余計なもの置かないようにするなど、買手の印象をよくするためにいろいろ手をつくすでしょう。そんなとき、忘れがちなのが「臭い」の対策です。
長く住んできた住宅には、その家独特の臭いがあります。しかし、売主はその臭いが日常になっているため違和感を感じにくくなっています。
しかし、人は他人の家の臭いに敏感になるものです。
臭いは住宅の第一印象を左右する
消臭剤を製造販売する小林製薬(株)が行った意識調査によると、「他人のお宅に行って、あなたが気になることは何ですか?」と聞いたところ、第1位は「清潔さ」、第2位が「その家独特の臭い」(24.3%)となっています。
住んでいる人が思っている以上に、臭いはその住宅の第一印象を左右するといえます。
買手は住宅を内見する時、自分が住むことを想定し、厳しい目線で見ます。その際、臭いを感じる住宅は理屈抜きでイヤなもの。ほかの点がよくてもマイナス印象を与えてしまいます。必ず、売りに出す前にできるだけ臭いを和らげておきたいものです。
臭いの原因別に、臭いを抑える方法を考える
臭い対策は、まず発生元を知り、その発生を防止・除去することがポイントとなります。
●靴の消臭はミョウバンが効果的
玄関の臭いは靴が発生元になりがちです。靴は必ずシューズボックスにしまっておきましょう。
靴の消臭にはミョウバン水が効果的です。ミョウバン水は、市販のミョウバンを水に溶かすだけで簡単に作れます。帰宅したら脱いだ靴にみょうばん水をスプレーすると消臭の効果があります。
●排水口の掃除は必須
家のなかで最も臭いの発生元になりがちなのが、台所やお風呂などの水まわりです。特に排水口は忘れずに掃除しておきましょう。
排水口は、中に溜まっている水によって、下水からの臭いを防ぐしくみになっています。中の水が乾燥してなくなると臭いを防げなくなるので、あまり使っていない排水口でも、定期的に水を流すことが大切です。
●カーテンやソファーの匂いは重曹で
布製品も臭いを吸着しやすいものです。
家のなかにはソファーやカーテン、カーペットなど、布製の家具やインテリアがたくさんあります。洗濯やクリーニングに出せるものは洗うのが一番よい方法ですが、時間がない場合は、その代用の方法として重曹をうまく使うとよいでしょう。
粉のままカーペットやソファーにふりかけ、しばらく経ってから掃除機で吸い取ります。重曹はアルカリ性で、汚れを溶かす作用を期待できます。
空気の入れ換えや香りの効果でリフレッシュ!
●当日の朝も空気の入れ換え
内見の当日は窓や玄関を開け放し、空気を入れ換えましょう。
押し入れや靴入れ、物置も風を通しておきます。
また、前日や当日の朝は、臭いの強い調理は避けるようにしましょう。
●香りは適量がポイント
アロマや消臭剤も臭い対策に効果的です。
香りには多くの種類がありますので、男性にも女性にも好かれる香りを選ぶのがポイントです。ラベンダーや柑橘系、石けん系などが無難です。
香りは量が多いと逆効果になります。日頃から使い慣れておき、適量を心がけましょう。