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更新日 : 16/12/26

「3000万円の特別控除」と「住宅ローン控除」は、どちらを選んだほうがトクでしょうか?

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回答:ファイナンシャル・プランナー 北見久美子

<質問内容>

質問現在住んでいるマンションが手狭のため、広いマンションに買い替える予定です。売却による「3000万円の特別控除」と、購入による「住宅ローン控除」はどちらか一方しか受けられないと聞いたのですが、どういうことでしょうか? また、どちらを選んだほうがトクでしょうか?(埼玉県さいたま市 会社員35歳)

回答:相談者のご理解のとおり、自宅売却した際に適用される「3000万円の特別控除」と、住宅ローンを組んで購入した場合に適用される「住宅ローン控除」は、どちらか一方しか受けられません。

どちらが有利か理解した上で住み替え計画を進めましょう。

住宅は売却・購入ともに高額なお金が動きます。「3000万円の特別控除」と「住宅ローン控除」、これらは生活の場である住宅に対する控除で、家庭経済への圧迫を軽くするために設けられている軽減措置です。

どちらも税額が大きく軽減されます。有利な税額控除が二重に受けられるとすると、住宅を持たない人とのあいだに扱いの格差が生じます。そのため、どちらか一方を選択することになっています。

利用する場合は、2つの内容を理解しておくことが大切です。自分のケースではどちらを使うほうがトクになりそうか、概要をつかんだうえで住み替え計画を進めましょう。

「3000万円の特別控除」「住宅ローン控除」の概要

まず「3000万円の特別控除」について説明しましょう。

これは、住んでいた持ち家を売却する場合に、譲渡所得から3000万円を差し引くことができる控除です。控除されることで課税所得が抑えられますので、譲渡所得額によっては課税額がゼロになることもあります。

「3000万円の特別控除」を受ける場合に、理解しておきたいのが「譲渡所得」の考え方です。計算は以下のようになります。

◇譲渡所得 = 譲渡収入金額 −(取得費 + 譲渡費用)

まず、各用語について確認しておきましょう。

1.譲渡費用    :売却にかかった仲介手数料などの費用
2.取得費     :購入した金額から減価償却費を差し引いた金額
3.譲渡収入金額:住宅を売却した価格
4.譲渡所得    :1から2と3を差し引いて残った金額

特に「取得費」については誤解しやすいので注意が必要です。

ポイントは、過去に購入した時のマンションの価格および建物の価値が、現在とイコールではないという点です。

「取得費」は、購入時の価格から経過年数に応じた建物の減価償却費を差し引いた額となります。つまり、譲渡収入金額(住宅売却価格)から購入当時の価格をまるまる差し引けるわけではないのです。

「取得費」の計算を勘違いすると、「3000万円の特別控除」と「住宅ローン控除」のどちらが自分にとってトクなのかわからなくなりますので、よく理解しておきましょう。

次に「住宅ローン控除」について説明します。

買い替えで新たに住宅ローンを組んでマンションなど購入する場合、一定の要件を満たせば「住宅ローン控除」が受けられます。平成31年6月までは、毎年の住宅ローン残高の1%を10年間、所得税から控除できることになっています。

では、「3000万円の特別控除」と「住宅ローン控除」のどちらを使うのがトクか試算してみましょう

「3000万円の特別控除」を利用する場合

住宅を売却した際の「譲渡所得」が小さい場合は「3000万円の特別控除」より、新たに購入する住宅のための「住宅ローン控除」を選択したほうが、軽減税額で有利になることが多いようです。

まず、「3000万円の特別控除」を利用しない場合を考えてみましょう。

例えば、「譲渡所得」が500万円として、所有期間が10年超であった場合は、長期譲渡所得税率(14.21%)で課税され、約71万円が税額となります。

次に、「3000万円の特別控除」を利用した場合、「譲渡所得」500万円ー3000万円と課税所得がなくなり、税額はゼロとなります。つまり、約71万円の税額が軽減されることになります。

住宅ローン控除を利用する場合

「住宅ローン控除」を適用した場合でも考えてみましょう。

年収600万円(扶養家族2人)の人が、たとえば2500万円を借り入れた場合(金利1%、借入期間35年)、10年間でおよそ215万円の税金が軽減されます。このケースでは、「3000万円の特別控除」を使うより「住宅ローン控除」を選択したほうが有利になるといえます。

ちなみに、ローン残高が年々減っていくため、「住宅ローン控除」の10年の合計額の計算は容易ではありません。インターネットのサイトで計算できるところもあります。たとえば、国土交通省が運営する「すまい給付金」サイトで「住宅ローン控除」の計算ができます。

http://sumai-kyufu.jp/simulation/kantan/

こちらでは、年収や家族構成を入力し、住宅ローンの条件を設定すると、住宅ローン控除で軽減できる税額が計算できますので、参考にしてみてください。

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