「大手」と「中小」不動産会社、どちらに売却を依頼する?
物件の情報発信力に大差はない
不動産を売却する場合、大手不動産会社と中小の不動産会社では、どちらに売却を依頼をした方がよいのでしょうか。
不動産会社は、売却の依頼を受けると、不動産業界のデータベース(レインズ)に物件情報を登録することが決まりとなっています。
大手、中小を問わず、レインズに物件情報を登録することが法律で決まっているからです(一般媒介契約は除く)。
不動産会社は買主に物件を紹介する際、このレインズに登録された物件を紹介しているのです。
大手の方が紹介できる買主が多いのではないかと思ってしまいますが、実はデータの出所は大手も中小も同じレインズなのです。
つまり、売却を依頼すると、どの不動産会社に依頼をかけても、全国の不動産会社に自分の不動産の情報をレインズを通じて発信していることになります。
つまり、大手も、中小も物件情報の発信力という意味ではあまり大差がないということになります。
大手と中小の違いは何か?
では、大手と中小の違いはどのような点でしょうか?
まず店舗のロケーションに違いがあります。大手は全国に営業所をもっていますが、基本的に大きな駅の近くなど、需要があるところにしか出店をしません。
逆に中小は、どのようなところにも地域に密着した不動産会社があります。
大手は資金が潤沢なので、大きな駅の目立つところに店舗がある為、買主が立ち寄りやすくなります。また、自社独自のホームページにお金をかけて集客しようとします。つまり買主を自力で集めようとするのです。
大手が自力で買主を集めようとする理由は、売主、買主双方から手数料をとれるからです。逆に言えば、他の不動産会社への情報提供には消極的になりがちです。
逆に中小では、昔から地域に密着して営業していることから、昔からの地域の人脈があったり、地域の情報が集まり易いという利点があります。
中小の場合は、自社のHPで買主を見つけることは難しいので、積極的に情報公開する傾向にあります。スーモやホームズなどのポータルサイトへも掲載も、とちらかと言えば中小の方が積極的だったりします。
その他も、売主に提供するサービスに違いがあります。
大手は資金力があることこから、売却物件に無料で建物診断を行ったり、補修を行ったりするサービスを提供する場合があります。逆に、仲介手数料を安くするということはあまりしません。
中小は、大手にできない、個性を活かしたサービスを提供しているところがあります。これは、大手と違い経営者の判断で動けるので小回りが効くからです。
例えば、仲介手数料の割引も中小の方が対応してもらえる可能性が高いのです。ちょっとしたお願いも聞いてもらえる傾向にあります。
顧客への対応力は、大手はどの店舗でも一定レベルに達していると言えますが、杓子定規な面もあります。
中小の対応レベルは様々です。大手以上に親身になって相談に応じてくれる不動産会社もあれば、全く動いてくれない会社もあり、売主の目利き必要になります。
中小で顧客対応の良い動産会社を見つける方法があります。
店舗が明るく、入店時に大きな声でみんなが挨拶する会社は、社員教育が行き届いており、顧客対応が良い会社である確立が高いです。
結局は担当者次第
このように、大手、中小ともそれぞれ良いところ、悪いところがあり、一概にどちらがよいとは言い切れません。
しかし結局、大切なのは人です。担当者が親身になって相談にのってくれるかどうかに売却の成功はかかっています。
実際に、いくつかの店舗に行ったり、査定を依頼をしてみて、大手、中小に関わらず、担当者の感じがいい会社が、売却を依頼すべき不動産会社だと思います。