売り出し価格は途中で変更してもよいでしょうか?
回答:ファイナンシャル・プランナー 北見久美子
<質問内容>
自宅の売却に際して査定価格を出してもらったところ、希望より低めでした。
ちょっと納得がいかないので、いったん希望価格で売り出し、状況を見て途中で値下げしてもよいでしょうか?(会社員 38歳)
回答:途中で価格を下げるより、適性価格をよく見極めて売り出すほうがよいでしょう。
早期売却をめざすなら、適性価格で売り出す
売り出し価格を下げることはもちろん可能です。査定価格より高めの価格で売り出してみて、市場の反応や様子をみるという方法もよく行われます。
1~2カ月経っても問い合わせがほとんどない、内見の申込が1件もない場合は、買主がその住宅に対して相場より割高と感じていると考えられます。
査定価格より高めの価格で売り出してもかまいませんが、買主の反応がいまひとつの場合は価格を下げる必要が出てきます。
売却を急がない場合は高めの設定もOK
売りを急ぐ必要がない場合は、やや高めの価格を維持し、買主が現れるのを待つという方法もあります。しかし、ご相談者のように住み替えの場合は、売れるまで待つわけにはいかないでしょう。
売却資金を新しい住宅の購入資金にあてる必要がありますから、早く売れるほど資金計画は楽になります。
短期間に何度も下げるとマイナスイメージに
ご相談者は、様子をみながら価格をだんだん下げていくというイメージを持っておられるかもしれません。
しかし、短期間に何回も下げると、買主に「売れ残っている」「待てばもっと下がるかもしれない」などマイナスイメージを持たれることになります。
なかなか売れないから価格を下げるとなると、思い切った値下げでないと買主の注目が集まらないため、相場より1〜2割下げて再スタートする必要も出てきます。
結局のところ、住み替えのために早く売却したいなら、適性価格で売り出したほうがうまくいくことが多いと言えます。
売り出し価格は仲介を依頼した不動産会社とよく相談して決めてスタートすることをおすすめします。
(プロフィール)北見久美子 きたみ・くみこ
CFP(ファイナンシャル・プランナー)&消費生活アドバイザー。
個人相談数千件の経験を生かし、「ライフプランに生かすお金の活用法」など、全国各地で住まいに関する講演を行っている。雑誌などでも連載多数。
主な著書に『親のお金の守り方』『助成金がわかる本』『50歳からのお金のきほん』などがある。日本FP協会会員。