家を売りに出したらレインズをチェックしよう!
家を売りに出すと、あなたの物件情報はインターネットを通じて全国の不動産会社に公開され、本格的に売却活動がスタートします。
迅速な情報公開を可能にしているのはレインズ(不動産流通標準情報システム:Real Estate Information Network System)という不動産会社間の情報共有・物件検索システムです。
まだあまり知られていないようですが、2016年から売主も自分の物件の公開情報を閲覧できるようになっています。
売却を成功させるためには、必ず自分の目でレインズの情報をチェックすることが大切です。その理由についてお話しします。
誰が情報を登録するのか?
レインズに物件情報を登録するのは、売主と媒介契約(売却を仲介する契約)を結んだ不動産会社(以下、媒介会社)です。
下の表のように、媒介契約の種類によってレインズ登録に関する義務内容が異なります。一般媒介契約の場合は登録義務がないため登録されないケースもあります。
登録内容はインターネットで確認できる
媒介会社がレインズに登録すると、登録内容が記載された「登録証明書」という書類が発行されます。
媒介会社には売主に遅滞なく「登録証明書」を引き渡す義務がありますので、必ず受け取り内容を確認しましょう(宅地建物取引業法第34条の2-6)。
登録内容はインターネット上でも確認ができます。前述の「登録証明書」にアクセス用のURL、確認に必要なID・パスワードが記載されています。売主が閲覧できるのは、次の3つの情報です。
①登録内容
・販売価格 ・物件の面積 ・価格 ・所在地 ・最寄駅からの距離
・用途地域 ・築年月 ・部屋数 ・間取 ・階数 ・管理費、修繕積立金、管理形態(マンションの場合)など。
②取引状況
取引の進捗状況は「公開中」「書面による購入申し込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」のいずれかで表示されています。それぞれの内容は下の表のとおりです。
取引状況が「売主都合で一時紹介停止中」の場合、原則として不動産会社はあなたの物件を買主に紹介できないことになります。
もし、停止の指示をしていないのに「一時紹介停止中」であったら、速やかに媒介会社に確認し、修正してもらわなくてはなりません。
なお、媒介会社がレインズに取引状況を登録(更新)しても、システムなどの都合で反映されるまで2日間ほどかかることがあります。そのため、レインズには実際に変更があった日付も掲載されます。
③登録図面
不動産会社が買主に物件を紹介する時、ダウンロードして使用する販売用図面(チラシ)のことです。間取図や物件情報、販売条件が記載されています。
なぜ、レインズの確認が重要なのか?
レインズの情報は、売却の成否を左右する大事なものです。登録は媒介会社が行いますが、常に完璧であるとは言えません。
自分の物件が正しく紹介されているかどうかの確認は、売主の役割と心得ましょう。もし間違いを発見したら、速やかに修正してもらわなくてはなりません。
実際に、立地や間取りなどの条件が良いにもかかわらず、なかなか購入申込者が現れないのでレインズを確認すると登録内容が誤っていた(実際より不利な内容になっていた)というケースもあります。
囲い込みを防ぐために!
通常、売買契約が成立すると、媒介会社は売主から仲介手数料を受け取りますが、自社で買主を見つけると買主からも仲介手数料を受け取ることができます。
買主からの仲介手数料を目的として、媒介会社がレインズに物件情報を公開しなかったり、故意に誤った情報を掲載して他の不動産会社が先に買主を見つけるのを防ごうとする行為を「囲い込み」といいます。
本来あってはならないものですが、残念ながらゼロではありません。
このようなことからも、最適な買主を迅速に見つけるために、売主自身によるレインズのチェックは欠かせないものといえます。