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更新日 : 20/02/26

2020年4月1日施行!「配偶者居住権」で家の相続はどう変わる?

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夫に先立たれ、妻が自宅を相続した場合、「遺産分割のために現金が必要になり、売却せざるを得なかった」というケースは少なくありません。高齢になってから新たな住まいを探すことは容易ではありません。

そのような事態を防ぐため、120年ぶりに民法が改正され「配偶者居住権」が創設されました。施行は2020年4月1日。いったいどのようなものなのでしょうか?

①配偶者短期居住権とは?

「配偶者居住権」とは簡単に言うと、自宅の所有者が亡くなった後も、その配偶者が住み続けられる権利です。「①配偶者短期居住権」と「②配偶者居住権」の2種類の権利があります。

「配偶者短期居住権」とは、自宅の所有者が亡くなったとき(相続開始のとき)、その家に無償で住んでいた配偶者は、引き続き無償で一定期間は住み続けられる権利です。

一定期間とは、次のaまたはbのうち「遅いほうの日まで」となります。

a.遺産分割が終了する日   /    b.相続開始から6カ月が経過する日

つまり、配偶者は夫または妻の死後、短くても6カ月間は自宅に住み続けられるわけです。

「配偶者短期居住権」は該当する配偶者に自動的に認められる権利ですので、特別な手続きは一切不要です。

②配偶者居住権とは?

一方、「配偶者居住権」は、残された配偶者が生きている限り自宅に住み続けられる権利です。配偶者が自宅を相続する場合だけでなく、他の相続人(子供など)が相続する場合でも認められます。

ただし、前述の「配偶者短期居住権」とは異なり、自動的に認められるものではなく、取得するには次の条件が求められます。

●配偶者の居住に関すること

被相続人(死亡した夫または妻)が所有していた家に、相続開始の時点で住んでいたこと(無償か否かは問わない)。

●相続の合意に関すること

次のいずれかによって「配偶者居住権」を取得すること。

・相続人全員による遺産分割協議

・被相続人の遺言

・家庭裁判所の審判

●登記に関すること

不動産の登記簿謄本に「配偶者居住権」の設定登記をする。「配偶者居住権」のある家は売却することができなくなる。

相続は大きく変わる

「配偶者居住権」が創設される以前から、相続人全員が合意すれば配偶者は自宅に住み続けることができました。

しかし、配偶者がたとえ自宅を相続しても、他の相続人に遺産分割する現金を作るために、泣く泣く自宅を売却するケースもありました。

今回の民法改正によって、2020年4月1日以降の相続では、自宅の権利が「負担付所有権」と「配偶者居住権」に分離されることになり、配偶者は安心して自宅を終のすみかにすることができるようになります。

●民法改正で相続はこう変化する

「配偶者居住権」によって、実際、相続はどのように変わるのでしょうか。法定相続の場合、相続割合は配偶者1/2、子供1/2です。

どう変わるのか、例を挙げて見てみましょう。

<例1>  相続財産:自宅3000万円、現金2000万円。合計5000万円。

相続人:妻、子供1人

a.施行前の相続(2020年3月31日まで)

・妻:2500万円

・子:2500万円・・・妻が自宅を売却して現金化しなければ分割できない!

b.施行後の相続(2020年4月1日から)

自宅の価値3000万円を「負担付所有権」と「配偶者居住権」に分離する。

負担付所有権1500万円、配偶者居住権1500万円の場合。

・妻:2500万円(配偶者居住権1500万円+現金1000万円)・・・売却を回避できる

・子:2500万円(負担付所有権1500万円+現金1000万円)

 

<例2> 相続財産:自宅3000万円、現金3000万円。合計6000万円。

相続人:妻、子供1人

a.施行前の相続(2020年3月31日まで)

・妻:3000万円(自宅)・・・妻に現金が残らず、老後の生活費がない!

・子:3000万円(現金)

b.施行後の相続(2020年4月1日から

自宅の価値が負担付所有権1500万円、配偶者居住権1500万円の場合。

・妻:3000万円(配偶者居住権1500万円+現金1500万円)・・・居住権も現金も残る

・子:3000万円(負担付所有権1500万円+現金1500万円)

なお、「配偶者居住権」の価値は、次の方法で算定されます。

建物敷地の現在価値 ― 負担付所有権の価値 = 配偶者居住権の価値

算定については専門的な知識が必要ですので、不動産会社や弁護士、税理士に相談することをおすすめします。

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