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更新日 : 20/09/28

2020年4月新設!「配偶者居住権」と売却との関係

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明治以来、120年ぶりに大改正された民法が、2020年4月1日に施行されました。

これにより、様々な古いルールが現代に合うように変更されています。

その一つが相続に大きな影響を及ぼす「配偶者居住権」の新設です。

どのような権利なのか? そして、住宅の売却との関係について見てみましょう。

 「配偶者居住権」とは

これまで民法では、相続できる資産は不動産と預貯金を合算したものと規定されていました。

したがって、主な相続資産が不動産の場合、相続人に分割するためには売却して現金化しなければならないケースも多々ありました。

例えば、次のような場合です。

●夫が所有する家に夫婦2人で暮らしていたが、夫が亡くなった場合

<例1>

被相続人・・・夫

相続人 ・・・妻、子供(すでに独立)

相続資産・・・自宅3000万円(土地と家の時価)+預貯金1000万円=計4000万円

法定相続分・・・妻2分の1、子供2分の1 この場合の法定相続分は、妻2000万円、子供2000万円となります。

しかし、預貯金が1000万円しかないため、法定相続通りに分割するには自宅を売却して現金化しなければなりません。

<例2>

被相続人・・・夫

相続人 ・・・妻、子供(すでに独立)

相続資産・・・自宅2000万円(土地と家の時価)+預貯金2000万円=計4000万円

法定相続分・・・妻2分の1、子供2分の1 この場合、妻が自宅、子供が預貯金を全額相続すれば法定相続通り2分の1ずつ分けることができます。

しかし、これでは妻の手元には現金が残らず、生活資金に窮することになりかねません。

こうした事態をなくすために新設されたのが「配偶者居住権」です。

●自宅を相続しなくても住み続けられる!

「配偶者居住権」とは、簡単に言えば、自宅の所有者の死亡後も、同居していた配偶者が引き続き住むことを保障する権利です。

通常、家の権利は「所有権」一つですが、これを「所有権」と「居住権」に分離し、配偶者の「居住権」を保障しました。

つまり、たとえ子供が家を相続しても(所有権)、配偶者はこれまで通り住み続けることができます(居住権)。

前述の<例2>では、「配偶者居住権」を活用すると次のように分割することができ、妻は住まいと生活資金を手にすることが可能になります。

◎妻 ・・・居住権1000万円+預貯金1000万円=2000万円

◎子供・・・所有権1000万円+預貯金1000万円=2000万円

 「配偶者居住権」活用の注意点

将来的に「配偶者居住権」の活用を考えている人は、次の点に注意しましょう。

●対象は、「同居していた配偶者」のみ!

「配偶者居住権」が認められるのは、相続が発生した時点で、その家に住んでいた配偶者だけです。

結婚していても別居している場合は対象になりません。

●権利の売却や相続はできない!

権利を他人(親族も含む)に譲渡したり相続したりすることはできません。

権利者が死亡した場合は、自宅を相続していた人が居住権も所有することになります。

●共有名義に注意!

自宅が共有名義の場合、「配偶者居住権」が設定できないケースがあります。

名義人が夫と妻であれば問題はないのですが、親と子の場合は設定できません。

「配偶者居住権」を活用する可能性がある場合は、親子共有名義にしないようにしましょう。

●権利は自動的に付与されるわけではない!?

この権利には、①一定の期限(最低6カ月)を区切って設定する「配偶者短期居住権」と、②終身の権利を設定する「配偶者居住権」とがあります。

①の場合は手続きが不要です。 しかし、②を設定するには、「被相続人の遺言書」または「遺産分割協議での相続人全員の合意」を得ることが必要です。

●権利を取得したら必ず登記を!

「配偶者居住権」は登記簿に記載することができます(短期居住権は除く)。

手続きは任意ですが、不測の事態に備えて必ず登記することをおすすめします。

例えば、親子が不仲のケースでは、家の所有者である子供が「配偶者所有権」が設定された家を第三者に売却することもあり得ます。

その場合、登記しておけば新たな所有者に「配偶者居住権」を主張することができます。

「配偶者居住権」の設定は義務ではありません。

しかし、人生100年時代、何が起きるかわかりません。

できる限りリスクを排除して、老後を安心して暮らすための有効な選択肢になるといえます。

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