「不人気施設」が近くにある家の売り方
マイホームを探すうえで、「〇〇(施設名)の近くには住みたくない」と考える人は少なくありません。
このような施設のうち、多くの人が嫌がる施設を「嫌悪施設」といいます。
もし、売却する家がこうした施設の近くにある場合、スムーズに売るにはどうすればよいでしょうか?
「嫌悪施設」とは?
売却する住宅の近くに「嫌悪施設」がある場合、売買契約前の重要事項説明で買主に告知することになっています。
その理由は、施設の存在が購入の判断を左右する可能性があるためです。
もし、「施設のせいで購入してもらえないと困る」と考えて告知せずに売却すると、後々トラブルになることもありますので、必ず告知しましょう。
「嫌悪施設」とは何かについて明確な定義はありませんが、一般に、下の表に挙げた施設を指すことが多いです。
表1.嫌悪施設の種類と具体例
スムーズに売却するには?
一般に、「嫌悪施設」が近くにある住宅は、そうでない住宅に比べて売却に苦戦する傾向があります。
しかし、「嫌悪施設」に対する許容範囲や感じ方には個人差があり、誰もが嫌だと感じるわけではありません。
「施設があることを気にしない買主」や「影響を受けない使い方をする買主」に出会うことができれば、売却はスムーズに進むでしょう。
そこで、考えたいのが売却の対象です。
マイホーム希望の人だけでなく、次のような買主に積極的にアプローチしてみるのも一案です。
●事務所や店舗用の物件を探している人
「嫌悪施設」の近くで生活するのは抵抗があるけれど、仕事をしたり買い物をするだけなら全く気にならないという人は少なくありません。
実際に、墓地の隣で繁盛している店もありますし、ガソリンスタンドやパチンコ店などの近くにある事務所も多く見られます。
煙やにおいが出る工場の近くには、窓を開けなくて済むように空調設備を整えているオフィスも多数あります。
このように、「住まい」という枠を外すことで、売却のチャンスは大きく広がります。
●不動産投資家
不動産投資家はマイホーム購入の希望者とは異なり、「経営が成り立つかどうか」という視点で物件を探しています。
「嫌悪施設」が近くにあっても、利回りが確保できる物件なら喜んで購入してくれるでしょう。
例えば、家賃の安さがウリの賃貸住宅、貸店舗、民泊、住居以外の活用法(駐車場、コインパーキング、コインランドリーなど)に活用できるなら、「嫌悪施設」の存在はネックにならない可能性があります。
「嫌悪施設」が近くにあっても、そこは売主が長年生活してきた住宅です。
買主に出会うことを信じて、あきらめず積極的に探しましょう。